人のからだは食べたもので作られる。
人の心は、聞いた言葉で作られる。
人の未来は、話した言葉で作られる。
特に子どものときの食事は、栄養を吸収するだけでなく、咀嚼する力を鍛え、五感を磨く。季節を味わい、地域の気候や土の力にも思いをはせる学びの機会でもある。食べる行為を通じて、子どもたちは、からだだけでなく、心も頭も成長していく。
福津市では、保育園や小中学校の食育にも力を入れており、地産地消に努めると共に、子どもたちの自立を促す「子どもが作る弁当の日」にも取り組んでいる。自分で食材を選び、自分で考えたメニューでお弁当を作る日だ。
毎日食べているものがどこから来ているか、誰が育ててくださっているか、そんな話題であふれる家族の会話。週末には、オーガニックマルシェで生産者さんのお話を聞く。自分にも地球にも優しい心が育ち、自分の言葉で未来を語れる人に育っていって欲しい。
松田美幸
福津市副市長
企業・自治体・病院・大学などの戦略経営と組織変革に関わり、組織のマネジメントシステムやガバナンス改革の実現を推進してきた。福岡地域戦略推進協議会シニアフェロー、公立大学法人福岡女子大学の学長特別補佐、福岡県男女共同参画センター「あすばる」のセンター長を経て、2017年12月、福津市副市長に就任。内閣府男女共同参画会議議員、経済産業省産業構造審議会臨時委員、総務省地域づくり人材の養成に関する調査研究会委員など。西日本新聞のコラム提論の執筆者、FBSめんたいワイドのコメンテーターも務める。
私的に開催している「バー美幸」は、自然豊かな福津市で多様な人材が交流する場として定着し、一次産業に従事する方々と料理研究家や加工事業者、流通、生活者など、さまざまなつながりも生まれている。