90年代住んでいたニューヨークでは、ローワーマンハッタンの公園に毎週末オーガニックのマルシェが立ち、健康への感度の高いニューヨーカーが買い物に行っていた。その後数か月住んだパリでは、住まいの近くの通りに週2回定期的にマルシェが立ち、それが生活のリズムになるのがよかった。どちらも消費者と生産者の対話が楽しい場所だった。福岡の都心も、健康に暮らしたい市民と近郊の農家とが繋がる街になったらいいなと思う。
松岡恭子 建築家
建築のデザインにとどまらず、橋梁、公園、道路などの土木構造物を通して、豊かな体験を生む公共空間を生み出してきた。福岡、九州各地の景観デザインアドバイザーなどを通して、より良い都市環境への提言も続けている。
コロナの影響で出現し始めた都心の空き店舗を、九州の文化やものづくりに触れる場として短期利用する社会実験を発案。「都心」の担うべき役割を、文化に焦点を当てて再考する姿勢が多くの専門家の賛同を得て、「OneKyushuミュージアム」を2020年9月より3ヵ月間開催。総合プロデューサーを務めた。
総合不動産会社、大央の代表取締役社長、および市民に福岡の優れた建築を紹介するNPO法人福岡建築ファウンデーションの理事長も務める。