生駒芳子 / ファッション・ジャーナリスト | 地方からのオーガニック発進、エシカル発進は、未来につながるアクション

私自身がエシカルという言葉に出会ったのは、マリクレール日本版の編集長を務めていた2007年のことでした。ロンドン特集を組んだ中で、エシカルの記事を作ったのです。そこから、エシカルファッションに興味を持ち、フェアトレードやオーガニックコットン、アップサイクリングなど、ファッションの未来を占う、さまざまな活動に興味を持ちました。ファッションは世界第2位の汚染産業という大変不名誉な立場にあり、大量生産・大量消費・大量廃棄、途上国での生産状況、水を大量に使い、化学物質を用いるなど、課題はたくさんありました。
SDGsの策定、コロナ禍を経て、今ファッションは生まれ変わりつつあります。バイオテクノロジーやデジタルの力を借りて、自然回帰、土に還るファッションを作る、捨てずにファッションを資源として考えるなど、たくさんの新しいアイディアが生まれています。
今地球は、悲鳴をあげています。すぐにでも私たちのライフスタイルや仕事のあり方を、サスティナビリティやエシカルを配慮する方向にシフトさせていかないと、地球が住めない場所になってしまいます。
私が会長を務める日本エシカル推進協議会では、JEIエシカル基準を策定し、企業や地方自治体の方々に活用いただき、エシカル消費やエシカル公共調達に役立てていただけるようお勧めしております。地方から発信するエシカルアクションを、協議会では応援いたします。2024年11月22日に東京・原宿で開催するエシカルサミットでは、「地域から始めるエシカルアクション」テーマにして、講演や意見交換を行います。
福岡オーガニックマルシェの活動を、石橋さんから聞いたときには、とても嬉しく、わくわくしました。地方からのオーガニック発進、エシカル発進は、まさに未来につながるアクションです!「環境・社会・人・地域・生物多様性」を知る場として、たくさんの方が気付きを得るマルシェ、ぜひ応援したいと思います!

生駒芳子


ファッション・ジャーナリスト 
日本エシカル推進協議会会長 
伝統工芸ブランドHIRUMEプロデューサー

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